どうもマルポンです。
いきなりですが「十三参り」って知ってますか?
京都を中心に関西では古くから行われている有名な行事で、最近では関西以外の地域にも広がって来ているようです。
ですがまだ、
「聞いたことがあるような、ないような・・・」
という人も多いと思います。
実際、私も知りませんでした (^^;)
なので「十三参り」とはどんな行事なのか調べてみました。
目次
十三参りとは?
数え年で13歳になる男の子と女の子が、これまで健やかに成長できたことへの感謝と、これから益々福徳と知恵を授かるために、『虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)』にお参りする行事のことです。
簡単に言うと、子供の成長を祝い開運を願う行事ですね (^^)b
また13歳という年齢は、生まれ干支がちょうど一巡りしてもとの干支に戻る年であり、初めての厄年に当たるため厄払いの意味もあるそうです。
※数え年・・・生まれた年を1歳と数え、年が明ける1月1日に1歳プラスして数える年齢のこと。
(例:平成29年6月7日に生まれた人は、その時点で1歳です。そして平成30年1月1日には2歳になります)
※福徳・・・幸福と利徳。財産や幸せに恵まれていること
虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)とは
虚空蔵菩薩とは、十三番目に誕生した智恵と福徳を司る菩薩様であり、人々の願いを叶えるために虚空蔵(無限の知恵と慈悲が収まっている蔵)から、知恵や記憶力、知識を取り出し与えてくれると言われています。
そのために、十三参りのことを「知恵詣り」または「智恵もらい」とも言います。
虚空蔵菩薩(奈良:東大寺)
お参りする日はいつ?
十三参りは本来、虚空蔵菩薩が13番目に生まれた菩薩(1番目は釈迦如来)であるため、虚空蔵菩薩の縁日である旧暦3月13日(現在の4月13日・新暦)に行う行事でした。
ですが現在では、その日にお参りできるとは限らないため、前後1ヶ月の3月13日から5月13日にお参りするのが一般的になっています。
※縁日・・・特定の神仏に縁を結ぶ日の意味で、この日にその神仏にお詣りをすれば、より多くのご利益が授かることができる日
どこにお参りに行くの?
正式には、虚空蔵菩薩を祀っている神社やお寺にお参りします。
ですが、近くにそういった神社やお寺がないという場合は、普段お参りしている神社やお宮参りをした神社に参拝しましょう。
ちなみに、この風習は江戸時代に始まったと言われていて、京都の嵐山にある法輪寺(虚空蔵菩薩がご本尊)の十三参りが最も有名で、東京では浅草の浅草寺にお参りする方が多いそうです。
お参りの方法
半紙に自分が授かりたいものを表す漢字一文字を毛筆で書きます。
それを供え祈祷してもらい、お守りとお供物を頂いて帰ります。
漢字一文字は「知、智、友、美、福、夢、愛、希・・・」など何を書いてもいいんですが、お供えするものですから願いや思いをしっかり込めて書くようにしましょう!
また、頂いたお守りは身に付けるようにするといいですね。
お参りの際に注意すること
京都嵐山の法輪寺では、祈祷が終わって帰る際にその途中にある「渡月橋」を渡り終えるまでは、後ろを振り返ってはならないという言い伝えがあります。
後ろを振り返ってしまうと、せっかく授かった福徳や知恵を返上しなくてはいけないと言われているからです。
ですので法輪寺以外のお寺や神社でも、お参りした際は鳥居や門をを出るまでは振り返らないように気を付けましょう!!
※お子さんにはあらかじめ、よ~く言い聞かせておいたほうがいいと思います。
どんな服装で行くの?
十三参りの正式なスタイルは着物となります。
子供の服装
- 女の子は、初めて大人の寸法(本断ち)の振袖(未婚女性の正装)を肩上げして着させます。そしてお参りをして帰宅したら、その糸を外して大人の仲間入りをするというのが正式の儀礼です。
※肩上げ:着物の裄(ゆき)を肩山を中心に前身頃から後ろ身頃にかけて縫いつまむこと
- 男の子は、羽織袴が正式な服装です。
振袖や羽織袴を持っていない場合は、これを機会に買ってもいいかもしれません。
が・・・
中学生となると成長期に入ります。
特に男の子は急に体格が変わってくるかもしれません (^^;)
着物を着るのであれば、買わずにレンタルするほうが金銭的にもオススメです。
また最近では洋装でのお参りも増えています。
ちょうど中学校入学の時期なので、進学する中学校の制服でも(学生服は冠婚葬祭では正装の扱いですから)問題ありません。
もし着物や制服はちょっと・・・
という場合は、女の子はワンピース、男の子はスーツといったフォーマルな服装がいいでしょう。
伝統的な行事です。あまりカジュアルすぎない服装を心がけましょう。
親の服装
- 父親は、黒やダーク系のスーツの方が多いです。また子供と合わせて和装にすると、写真を撮る時に盛り上がるかもしれません。
- 母親は、訪問着や色無地、格下げの着物、もしくはスーツがいいでしょう。ただ、どちらを着るにしても主役は子供です。子供より目立たないように気を付けましょう!
十三参りの由来は諸説あり
十三詣りの由来は、既に書いてあるように
・厄年を迎える初めての年が13歳であり厄払いの意味があった説
・虚空蔵菩薩が菩薩の中で13番目に生まれた菩薩であった説
の他にもいくつかあります。
13歳は大人の仲間入りをする年齢だった説
- 男の子は元服といって大人になる儀式が数え年の15歳で行われており、その2年前の13歳の時に半元服(元服の簡易的な儀式)の儀式が行われていました。この時、前髪を落として髷を結い、初めて大人の寸法の晴れ着を着たそうです。
- 女の子は「髪上げ」や「裳着(もぎ)」という成人の儀式が行われていました。それまで長く伸ばし垂れ下げていた髪の毛を結い上げ、大人の髪型に変える儀式です。またそれに合わせて「裳着(もぎ)」という大人の女性が着る「裳」と呼ばれる着物を始めて着る儀式も行われていました。
※裳(も)とは十二単を構成する着物の一つ
清和天皇が法輪寺で法要を行った説
平安時代のはじめ、幼くして帝位についた清和天皇が、数え年で13歳になった際に成人の儀式として法輪寺(虚空蔵菩薩は法輪寺のご本尊)で法要を営んだことがはじまりであったという説です。
弘法大師(空海)のある逸話がもとになっている説
弘法大師(空海)が19歳の時、高知県の室戸岬にある洞窟にこもり「虚空蔵求聞持法(こくうぞうぐもんじほう)」という修行した後、飛躍的に記憶力が増しました。
この虚空蔵求聞持法は虚空蔵菩薩と深い関わりがあることから、虚空蔵菩薩を参拝するようになったとされる説です。
※虚空蔵求聞持法とは100日間かけて、一定の法則に基づいて真言を百万回唱えるという厳しい修行のこと
まとめ
数え年で13歳は、小学校から中学校へ環境が変わる時期でもあり、心も体も大人へと成長していく時期でもあります。
また思春期をむかえた不安定な時期とも言えます。
そんな節目の年なので、親子で一緒にお参りをして、コミュニケーションを取るのもいいんじゃないでしょうか (^^)